7月
20th
火
20th
「ホロコースト」に関する予備知識をえていたわたしにとって、普通より長時間のハリウッド映画、『シンドラーのリスト』をだまって観賞することは、ますま
す大変な苦痛であった。「これも嘘」「あれも嘘」「こりゃひどい」の連続だったからだ。
しかし、おどろいたことにはわたしの友人たちは、それほどに違和感をおぼえていなかった。わたしが問題点を指摘するとはじめて、「そういえばそうだが」 と同意はするものの、「いわゆる芸術的表現ではないか」などと反論するものもいたので、またもや先入観念のおそろしさを再認識せざるをえなかった。
とくに細部を論じる気にはならないのだが、あの映画を見ていた元軍人で平和運動家の先輩は、つぎの点について明快に賛成してくれた。
あの映画には、かつてのウィリアム・ホールデン主演の『第17捕虜収容所』のような、漫画的ドイツ人はあまり登場しない。そのかわりにやたらめったら、 ドイツ兵が無抵抗のユダヤ人を町中や収容所内で撃ち殺すシーンが、いやにリアルなモノクロ画面で何度もでてくる。映画のプラショフ収容所にもゲーツ収容所 長にも実在のモデルがあるそうだが、この収容所長などは、ユダヤ人収容者を子どもまでふくめて、ただのうさばらしにベランダから狙撃銃で射殺している。
わたしは、元軍人の先輩にこう聞いて、賛成をえたのである。
「日本軍だってまけずおとらずの残虐行為をやっているだろうが、町中や人前で普段からバカバカ殺していたら、軍律がたもてないはずだ。誇張にしてもひどす ぎないか」
この会話の直後、カナダのツンデルから航空便がとどいた。なかには、ツンデル自身がキャスターをしているFM放送の市民チャンネル、「自由放送」の録音 テープや資料カタログと一緒に、「シンドラーのリストは嘘と憎悪をあらわにした」と題するリーフレットがはいっていた。そこには、ワシントンの公文書館で 情報公開している航空写真などを材料にして、プラショフ収容所の当時の全体構造が再現されている。映画では、ゲーツ収容所長の公邸のベランダから収容所が 見わたせるようになっているが、実際の構造では、途中に丘の側面がはりだしていて、見とおしがきかない。だから、狙撃銃による射殺などは不可能だというの だ。
しかし、おどろいたことにはわたしの友人たちは、それほどに違和感をおぼえていなかった。わたしが問題点を指摘するとはじめて、「そういえばそうだが」 と同意はするものの、「いわゆる芸術的表現ではないか」などと反論するものもいたので、またもや先入観念のおそろしさを再認識せざるをえなかった。
とくに細部を論じる気にはならないのだが、あの映画を見ていた元軍人で平和運動家の先輩は、つぎの点について明快に賛成してくれた。
あの映画には、かつてのウィリアム・ホールデン主演の『第17捕虜収容所』のような、漫画的ドイツ人はあまり登場しない。そのかわりにやたらめったら、 ドイツ兵が無抵抗のユダヤ人を町中や収容所内で撃ち殺すシーンが、いやにリアルなモノクロ画面で何度もでてくる。映画のプラショフ収容所にもゲーツ収容所 長にも実在のモデルがあるそうだが、この収容所長などは、ユダヤ人収容者を子どもまでふくめて、ただのうさばらしにベランダから狙撃銃で射殺している。
わたしは、元軍人の先輩にこう聞いて、賛成をえたのである。
「日本軍だってまけずおとらずの残虐行為をやっているだろうが、町中や人前で普段からバカバカ殺していたら、軍律がたもてないはずだ。誇張にしてもひどす ぎないか」
この会話の直後、カナダのツンデルから航空便がとどいた。なかには、ツンデル自身がキャスターをしているFM放送の市民チャンネル、「自由放送」の録音 テープや資料カタログと一緒に、「シンドラーのリストは嘘と憎悪をあらわにした」と題するリーフレットがはいっていた。そこには、ワシントンの公文書館で 情報公開している航空写真などを材料にして、プラショフ収容所の当時の全体構造が再現されている。映画では、ゲーツ収容所長の公邸のベランダから収容所が 見わたせるようになっているが、実際の構造では、途中に丘の側面がはりだしていて、見とおしがきかない。だから、狙撃銃による射殺などは不可能だというの だ。